ワインはセラーで保管する
ペンフォールズのフラッグシップであるグランジが指揮をする尊敬すべき赤ワインと白ワインは、丁寧なセラー熟成からより多くの恩恵を得るワインである。ペンフォールズのワインに真のポテンシャルを表現させるためには、少々の手間をかけることが重要となる。ここで正しいワインの保管方法を伝授したい。
なぜセラーで保管するのか?
シンプルであるが、高品質のワインの多くは寝かせることでより良くなる。ワインは時を経て熟成するので、ゆっくりと進化する中で、より複雑さを持つようになり、瓶熟成が生み出す特徴を持つようになる。熟成の過程で複雑な反応が起こり、ワインの組成が徐々に変化する中で新たなアロマと風味が生まれる。
理想的には、同じワインを数本購入し、セラーで熟成させ、異なったタイミングで抜栓し、ワインの変化を評価する。こうすることにより、自身の好みを鑑みながら、ワインの理想的な飲み頃のタイムフレームを発見することができる。
セラー熟成でワインがどのように変化するか?
ビンシリーズの全ワインとアイコンワインは、厳重なセラー熟成を行うことにより、より豊かに表現する。しかし、最適な瓶熟成期間は、ワインの色、スタイル、ボトルのサイズ、ヴィンテージにもよって異なる。すぐに飲むために造られたワインもあれば、長期間の熟成に適したワインもある。
一般的なルールとして、赤ワインは白ワインに比べて、長く楽しめ、熟成向きのものが多い。しかし、スクリューキャップのワインの進化は、フレッシュさと品質を保持する点において、良好な影響をもたらした。白ワインはこの進化の恩恵を特に受ける。白ワインのスタイルによっては、10年もしくはそれ以上の熟成によって、容易に変化を遂げるものもある。
不適切に保存されたワインは、本来のフレッシュさがキープされず、熟成が早まり、温度管理が適切にされ安定した熟成プロセスを経たボトルに比べて、熟成の予想を立てにくい。ワインは温度変化に非常に敏感である。クール便を使用したワインの輸送が好ましく、気温変動が最小限に留められた環境においてワインを保管することが望ましい。
ワインを貯蔵する最適な場所は?
ワインコレクターは、ワインを家庭のセラーもしくはレンタル倉庫で保管するというオプションがある。家庭でのワインの保管に最適な条件を整えることが難しく、収集しているワインの保管に投資する価値がある場合は、ワイン専用倉庫のレンタルを選択肢として考慮してもいいだろう。
適切なワインセラーがない場合は、ワイン保管専用キャビネット(ワイン用冷蔵庫)を設けるのが経済的にも実践しやすい家庭でのワイン保管方法である。人口密度が高く気候が温暖な地域ではこの方法が使いやすい。ワインキャビネットは、長期熟成のために最適な気温設定のものボトルを保管できるような設計になっている。
保管の上で最も重要なのは、安定した冷温、保管温度の変動が起こらない環境である。よくいわれる幅広い温度幅14℃~26℃ではなく、18℃ちょうどを常に維持するのがワインの保存には理想的である。セラーは、光が入らない場所で、振動がなく、周囲の匂いがコルクに移らないような環境が相応しい。
ボトルは必ず寝かして保管する
ボトルは、コルクを湿らせておくため、横にして保管する。ボトルを立たせて保管するとコルクが乾燥し、時間が経つとコルクが縮まり、その隙間から空気が入り、ワインの酸化・劣化につながる。スクリューキャップボトルは、この点においては回復力があるが、それでもボトルは寝かせて保管するのが望ましい。ボトルに破損がある場合のワインのもれに気づきやすい。ワインをラックで保管する場合は、ラベルを表向きにしておくと、沈殿物がわかりやすい。これはワインをデキャンティングする場合、有利となる。
セラーで寝かせる最適な期間は?
ワインの最適の飲み頃を予想するのは難しい。若く力強いワインが好みなのか、熟成して複雑さを増したワインの方が好きなのか?果実味が主体となり先導するスタイルの赤ワインが好きなのか、またはより熟成した表現やコーヒー、スギ、タバコのニュアンスを持つワインやその他の二次的特徴を持つワインが好きなのか?
個人の嗜好に因る部分が多く、ワインのスタイルとヴィンテージにもよって異なる。ただ、ミニボトルのワインは、空気に触れるワインの割合が高いため、スタンダードやマグナムに比べて熟成がより早い。